斜め配向光学異方性厚膜による偏光分離を世界で最初に実現しました。厚膜の成膜方法は簡単であり、厚膜成膜後の加工も不要なため生産性に優れています。材料にシリコンを用いた場合,波長1.55 mmで21°という大きな偏光分離角(従来の3倍以上)が得られます。
 光学異方性厚膜の屈折率の評価システムも開発しています。斜め配向光学異方性厚膜やa-Si:H/SiO2交互多層膜などの屈折率異方性と膜厚を算出できます。市販のエリプソメータでは測定できない厚膜でも測定できる点が特長です。〔白石〕

研究報告

[斜め配向光学異方性厚膜](注)以下の研究報告には白石教授のみの分も含まれます。

  • 稲葉巧, 白石和男, 室幸市, 大野泰司, 依田秀彦, “大きな偏光分離角を有する斜め配向シリコン蒸着膜の低損失化,” 電子情報通信学会論文誌(C), vol.J92-C, no.3, pp.104-105, Mar. 2009.
  • 稲葉巧, 室幸市, 大野泰司, 古田真之介, 依田秀彦, 白石和男, “偏光分離素子用斜め配向Si 厚膜の低損失化,” 応用物理学関係連合講演会, 2p-ZN-9, 2008年9月.
  • 稲葉巧, 室幸市, 宮城光信, 依田秀彦, 土屋治彦, 白石和男, “傾いた光学軸を持つ異方性媒質の屈折率測定,” 応用物理学関係連合講演会, 29p-ZB-1, 2008年3月.
  • K. Shiraishi and T. Aoyagi, “Fabrication of spatial walk-off polarizing film exhibiting a large split angle by oblique silicon deposition,” Optics Letters, vol. 23, no. 15, pp. 1232-1234, Aug. 1998.
  • 青柳知行, 伊藤勇, 坂本幸夫, 白石和男, “斜め配向した柱状構造を持つSi膜の作製とその偏光分離特性,” 応用物理学会秋季講演会, 3aH12, 1997年9月.
  • 青柳知行, 伊藤勇, 坂本幸夫, 白石和男, “大きな偏光分離特性を有する斜め配向柱状 Si膜の作製,” 信学ソ大, C-3-65, 1997年9月.
  • 青柳知行, 伊藤勇, 白石和男, “斜め配向 Si厚膜と広開口偏光分離素子への応用,” 電子情報通信学会光エレクトロニクス研究会, OPE97-50, 1997年8月.
  • K. Shiraishi and K. Matumura, “Fabrication of Spatial Walk-Off Polarizing Films by Oblique Deposition,” IEEE Journal of Quantum Electronics, vol. 30, no. 10, Oct. 1994.